このシミはこれ以上落ちませんでした! Ⅱ
前回の続きです。
『これ以上の処理は布地をいためます。ご了承下さいませ。』って、
下の写真を見てください。
クレリックシャツとスタンドカラーのシャツですが
襟の黄ばみが取れていない状態で
トーゼン!のごとく例の「落ちません」ラベルが‥‥‥
再度しみ抜きをしてもらったが、全然変わらなかった、とのこと。
さすがにもうあきらめて、半年保管。
そのときはもうちょっと落ちないかな、という程度の黄ばみだったそうですが
さぁ着用する季節になって、取りだしてみたら
前よりさらに黄ばみがひどくなっていたんだそうです。
綿100%、しかも白のワイシャツの襟汚れは楽勝ですから
「時間がかなり経ってるんですけど、取れますか?」
と心配するお客様に
「取れますよ! (^_^)v」
というわけで、しみ抜きするまでもないので
まずは洗ってみることに‥‥‥。
ハ~~イ 。゚+.ヽ(´∀`*)ノ ゚+.゚―☆ 取れましたぁ
布地、どこか痛んでますか?ぜんぜん大丈夫ですね。
これがふつうの洗濯屋さんの実力なんです。
その後、いつも奥様が持って来てくださっていたのですが、
たまたま先日ご主人がお持ちになったので
「仕上がりはいかがですか?ご不満な点はありませんか?」
とお聞きしたところ、
「あのあと何回か着たけど、いつもきれいに落ちてるね(∩.∩) 」
「保管後も黄色くなっていなかったよ。」
してやったり ☆⌒v⌒v⌒ヾ((`・∀・´)ノ ヒャッホーィ♪ です。
当店でもこのラベル買ってはみたんですが
使うことがないので、ホコリかぶってます(笑)
文面からも本来はしっかりと洗っているお店が
使うべきお知らせラベルでしょう。
しかも生地が痛むほどのしみ抜きといえば ‥‥‥‥ ?
泥や墨、ゲルインクなどの非常に細かい粒子が
繊維の奥にまで入り込んでいるもの。
かなり薄くはなりますが、どうしても残ってしまうときもたまにはあるからです。
これ、組合でのしみ抜き練習用に作ったものです。
左から泥、水性インク、墨(液墨)、ゲルインク。
クリーニング屋さんでは『不溶性のシミ』といいます。
どんなものにも溶けないもの、ということですね。
しみ抜き剤を付けてみると、このようになります。
インク系はにじんできますが、泥と墨はほとんど溶け出しません。
むりやり落としたものです。
一見、きれいに落ちたように見えますが、生地は毛羽立ち、少し白くなりました。
一番右がよくわかるんじゃないでしょうか。
こんなふうに、これらを繊維の中からぜんぶかき出そうとすれば、
生地が荒れてしまうので、ラベルのような文面になるんですね。
もう賢明な方なら、おわかりですね!
だいたいがこの手のラベルを付けてよこすのは、大手安売りチェーン店。
なぜ?大手の取次店はお値段も安くて、できあがりも早いのか?
ごていねいにしみの箇所としみ抜き済のタグまでつけていますがぁ、
しみ抜きなんかしていません!!
しかも、できあがりが早い、ということは品物を早く流さないと行けないので、
洗いもいい加減です!!