汗取りクリーニング Ⅲ ~ウェットクリーニングの洗い方を公開~
そんなわけで、ウェット(水洗い)で洗っているところは、クリーニング代はドライ料金に比べ、
手仕上げだと2倍(機械仕上げで1.5倍)の料金になる、ということですね。
「え~~、そんなに高いの?! 」
「ドライよりウェットの方が?」
そうなんですよ!
だってものすごく手間がかかるんですから。
ここまでが、前回の続きでした。
たとえば、みなさんもやったことある人がいると思うのですが、
ウール100%水洗い×バツのマークが付いているセーターを例に取りましょう。
家庭で水洗いする場合、注意する点として
- ぬるま湯で最初から最後まで洗ってください
- 中性洗剤を使ってください
- 干すときは平干しで干してください
- etc、etc‥‥‥
と非常に気を遣って、しかも手間をかけて洗わなくちゃいけません。
でもこれはプロでも同じ事!!
プロでも水洗い×バツの品物を洗うには非常に気を遣います。
トーゼン、家庭で洗うより、もっときれいにしなくちゃいけないですし,
家庭では、ぜったい、絶対、ずぇ~ったい!洗わないものをぅぅぅぅぅ~、水で洗うのは、
型くずれやしわ、色が抜ける、色が移る、縮む、伸びる… (___ ___ ;)尸マイリマシタ・・・
などの問題が、ドライの何十倍も起きやすいのです。
ウェットクリーニングの模様です。
「スィング洗い」といって、まるで赤ちゃんをあやすようにゆらゆらと洗います。
ほんと、やさしいです、、、ねむくなるようにやさしいです。
あっ、まぶたが閉じてきた・・・ね~むれ~、ね~むれ~・・・
不安になってきました。
機械屋さんに聞きます。
「あの~、これで手洗いしてるみたいに、洗えてるんですか?」
「だいじょぶでっす~!」
ケツのアクセント上げるんじゃねーよ!
よけい、不安じゃねーか!
けっきょく、洗い上がった衣類を見たら、今まで手洗いしていたのと変わりありません。
汚れも落ちてる・・・うん。
よし!これで楽できるぞ!! が・は・は・は・は (゚▽゚*)▽゚*)▽゚*)▽゚*)▽T*)
ウェット用の洗剤や仕上げ剤など…このコーナーだけで11種類。
まだまだ、あります。
こちらには7種類。
素材、染料、アイテム、風合いの違いで、これらを使い分けます。
あんまりいろいろ取り揃えるもんで、先代(うちのじじぃ、あっ失礼、じさま、父です)に
「オレの頃は、せっけんだけで洗ったもんだ!!」
「・・・」
「なんで、そんなばかみたいに材料買ってんだ!」
「もったいねぇじゃねぇか!」
「・・・」
もったいないのは、ひげ店長も同感。
「でもよ~、親父ぃ、いまはいろんな繊維が出てきてるし、・・・。」
「これ、これ! 『ミンク加工』なんかお客さんに評判いいんだぜ!」
じつは、親父の寝ている毛布に『ミンク加工』という、毛布の肌触りがミンクみたいになる
加工をして、シレッとしていました。
「なんか、さいきん、すぅ~と眠れるなぁ?・・・毛布か!?・・・前より気持ちいいなぁ・・・。」
「おまえ、なんか洗い方変えたのか?」
「・・・ん、ふふ、ふふふh」
「気持ち悪いヤツだな、・・・。」
・・・
こうして、ひげ店長の思惑通り、チャクチャクと材料が増えていくのでありました。
さすがに、水洗い×のものを水洗いするんですから、
それまでドライで取れなかった汚れやシミが取れて、きれいになります。
これ、すべてウェット後の洗浄液です。
黒くなったり、茶色くなったり、しまいには染料の色まで出ます。
あっ、赤くなってるの、気になりました?
「色がほかのものに移ってるんじゃないの?」
家庭で洗って、色移りさせたことがありますね!
ご心配なく!
この中には色移りを防ぐ薬剤が、洗剤といっしょに入っているんです。
ですから、お祭りの半纏や紅白の幕のように、色移りがとくにしやすいものでも
白いところが白いまま、すっきりと洗えるんです。
ひげ店長に手抜かりはありません(笑)
すると…
セーターやズボンは、ドライで落ちなかった汚れでごわごわしていたものが
ふんわりした柔らかさと、するっとした着心地になります。
こればっかりはいくら文章で説明してもむずかしい。
じっさいに体験されてみるのが一番いいと思います(^_^;)