日本の気候、文化と衣類の関係
高温多湿の気候だと、どう服に影響が出るか?
かびがはえやすく、汗がたくさん衣類につくので
色が褪せたり、変わったりします。
さらに「洋服を着る文化」と「着物を着る文化」の
衣類に対する意識の違いも大きいですね。
洋服文化:
- 形あるものは壊れる。
- 着用や洗濯で変化することは当たり前
- 高いものでも安いものでも繊維製品には違いがない
- 鮮やかな色は色褪せて当たり前
- 洗うことを前提としていない衣類もある
着物文化:
- 着物は洗い張りして縫い直せば新品のようになる
- 高い衣類は長く着用が可能
- 鮮やかな色でもいつまでもキレイ
- クリーニング業者はプロだからどんなものでも洗える
引用: 「消費者情報7月号」(関西消費者協会)
『高い服は一生ものですから』とわたしもよくお客様に言います。
しかし、高い服も様々。
シルクやカシミヤなど、希少な素材を使用すれば高くなります。
また、ブランドやデザインでも高くなります。
素材も大きく変化しています。
「マイクロファイバーポリエステル」って聞いたことがありますか?
ポリエステルは前からあった繊維ですが
繊維が極細のもののことを言います。
すごく光沢があってしなやか!
でも、欠点があります。
糸の引きつれ(スナッグ)が起きやすい。
過去にはなかったような、新しい素材もゾクゾク出ています。
ジーンズの染料インジゴで染まる化学繊維、テンセル
雨は通さないが、湿気は抜けるGore-Tex(ゴアテックス)などなど・・・
染色の方法も、環境問題などで変化しています。
染色の際の水質(国によって大きく違います)や
設備、技術力の差などでクリーニングの事故になるものがたくさんあります。
ちょっと衝撃的なサイトを見つけました。
中国には七色の川がある、というのです。
これは染料を垂れ流すよりひどい。
おおざっぱなひげ店長でさえ、これ見たら
中国には住めない。
で、なにが言いたいかというと
日本のように高温多湿の気候だと大量に汗をかく。
しかもかいた汗がなかなか乾かない。
汗が汗を呼び、服には大量の汗の成分が蓄積していくことになります。
汗だけでなく、湿度も高いので
礼服がこんなになったり‥‥‥
革のジャケットがこんなになったりするわけです。
完璧なクリーニングが無いように
どんな状態でも変わらない服もないんです。
一生お付き合いしたい衣類なら、高温多湿の日本で
湿度が低く、衣類に対する考え方の異なる地域で
企画された衣類を着用するリスクを理解した上で
着用したいものですね。